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ヤミ金問題コラム
ヤミ金情報の蓄積は、問題の解決につながりにくい
2014.10.17
ヤミ金であれ、サラ金であれ、お金の返済ができないと精神に大きな負荷がかかります。すると債務者は借金の解決とはまるで違う行動を撮り始めるのです。しかもその行動は借金の解決によく似ているため、債務者は自分が正しい行動をしていると思い込んでいるのです。
その行動とは「ヤミ金(サラ金)の情報をあさり出すこと」です。たとえば業者の住所や電話番号・事業者名を調べては「これはヤミ金だ。しかもたちが悪い」などと知ったり、ときにコンビニの週刊誌やらインターネットのヤミ金業者の内部事情について情報を得たり、中にはヤミ金のまんがを読んで知った気になった人まで存在します。
これらにはなんの意味もないどころか、百害あって一理なしです。弊所でも「ヤミ金に引っかかりました」とご相談を受けます。しかしそのあとに「ここはたちが悪いと有名だといわれました」とか「こちらの事業者を調べてください」と続くことがあります。
なんの意味もありません。このヤミ金はたちが悪いという言葉を信じこんで、だからヤミ金対策ができませんと自分で逃げてもしょうがないのです。そもそもヤミ金はみんなたちが悪いのです。たちが悪くなければヤミ金などできるわけがありません。また、事業者や事業所を調べ、それを伝えることで被害者になんのメリットがあるのかもわかりません。
東京に住所があろうが、北九州に住所があろうが、違法な貸付をしている以上、彼らはみんなヤミ金なのです。
このように情報を得たいという心理の裏には、ヤミ金の解決とは別の気持ちがあります。安心したいという気持ちです。
「この業者は東京のワンウィークマンションに住所があります。転々としています」と弊所がお伝えすれば、債務者はどうなるでしょう。「ああ、やっぱりヤミ金なんだ」で安心するだけです。
「この業者はたちが悪いですね」とお伝えすればどうなるでしょう。「ああ、ほかでも聞いたとおりだ。やっぱりね」で安心するだけです。
ヤミ金に追われて逼迫している人の中にはこのような精神状態に陥っている人がいます。これらは事態の解決にはつながりません。
本当に事態の解決をしたいのであれば、ヤミ金問題の解決を専門にする弁護士にちゃんと委ねる。任せてみる。この気持ちを持つことが何よりも大切です。